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PMSの下痢・胃痛

公開日: : 最終更新日:2014/08/20 PMS(月経前症候群)の症状

「昨日まで便秘だったのに、今日はお腹が緩い」「子宮じゃなくて、胃のあたりが痛い」という下痢や胃痛の症状は、PMS期にはよく見られます。すぐそばにトイレがない時や、通勤途中の電車やバスの中では、特に困ってしまいますね。

そんな辛いPMSの下痢・胃痛の原因と対処法をまとめましたので、悩んでいる方はぜひ参考にしてみて下さい。

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下痢・胃痛は生理直前に起こる

一般的に生理10日前くらいになると、便通が悪くなり、便秘気味になります。下腹が張って、おならのにおいも臭くなります。→「PMSの便秘」を参照

一方生理直前には、お通じが良くなり、逆にお腹がゴロゴロとして下痢気味になったり、胃がむかつき、キリキリ、キューッと痛くなったりします。下痢・胃痛の両方を患う人もいれば、片方だけの人もいます。風邪や食あたりなど細菌やウィルスによるものと違い、発熱は伴いません。

 

PMSの下痢と胃痛の原因

PMSの下痢と胃痛の原因はほとんど同じで、女性ホルモンによる胃腸の動きの変化や自律神経に乱れなどによって起こります。

 

プロゲステロンによる胃腸の収縮

生理前にプロゲステロンの分泌が増え、子宮の収縮を抑えようとしますが、妊娠しなかった場合、プロスタグランジンという逆に子宮を収縮させる物質の分泌が始まります。このプロスタグランジンは、子宮だけでなく胃や腸も収縮させるため、動きが過剰になります。

胃の動きが過剰になると、周辺の神経が刺激されて胃の痛みや吐き気をもよおし、腸の動きが過剰になると、痛みが現れると共に、便の進むスピードが速まり、水分が十分吸収されないうちに排泄されるためにお通じが緩くなります。

 

自律神経の乱れ

女性ホルモンバランスの変化や肉体的・精神的ストレスが、自律神経に影響すると言われます。胃腸の働きは自律神経によってコントロールされているため、それが乱れると、消化、吸収、排泄などがうまく機能しなくなり、下痢・胃痛につながります。

 

もう少しだけ具体的に

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、それぞれバランスを保ちながら体の各機能を調節しています。このバランスが乱れて交感神経が優位になり過ぎると、胃腸の働きが抑制され、胃腸の壁を守る粘液の分泌が減って、自らの消化液で胃腸を荒らしてしまいます。また、副交感神経が優位になり過ぎると胃腸の働きが促進され、胃腸の収縮運動が激しくなったり、消化液の分泌が過剰になってやはり胃腸の粘膜を荒らしたりします。どちらの神経が強過ぎても、結果として下痢や胃痛を招きやすくなるという訳です。

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diarrhea_002参考画像:ストレスがなぜ胃腸に影響するの? | 養命酒製造株式会社

 

ストレスが加わると、なぜ自律神経が乱れるの?

ストレスが加わると、交感神経と副交感神経の活動の度合いが一時的に増減することで排除しようとしますが、そのストレスが長い間加わっている状態になると、二つの神経のバランスが崩れたままとなるからです。

 

自分でできる対処法

お腹を温めたり、食べ物に気を付けることで、PMSによる下痢・胃痛に対抗しましょう。

 

温める

お腹を温めることは、プロスタグランジンによる収縮や自律神経の乱れによる下痢・胃痛のいずれにも有効です。温めることで緊張していた胃腸周辺の血管や神経がリラックスし、血行が良くなったり、神経の刺激が落ち着くことで苦痛が軽減します。以下のような方法が良いとされています。

  • お腹に温熱シートを貼ったり、腹巻をする。
  • 湯船につかったり、熱めのシャワーをお腹に当てる。
  • 温かい服装をする。
  • 温かい飲み物を飲んで、お腹の中から温める。   など

 

適切な食べ物や栄養素を摂取する

下痢・胃痛がある時には、消化吸収されやすい物を食べましょう。また普段から、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、γ(ガンマ)リノレン酸が含まれる食品や、自律神経のバランスを整える栄養素を摂取することで、症状を予防できます。

 

下痢・胃痛がある時に食べる物と控えた方がよい物

症状が辛い時に飲食するのは難しいかもしれませんが、特に下痢が激しい場合は脱水となる可能性があるので、水分だけは一口ずつでも摂取して下さい。ある程度症状が落ち着いたら、胃腸の負担にならない物を少量ずつ数回に分けて摂取します。刺激物などは避けましょう。また、どんな食べ物でもよく噛んで食べることが大切です。唾液とよく混ざり合うことで、胃腸での消化を助けます。

 
参考画像:胃痛 | 胃腸にトラブルがあるときの食事法は? : 症状・原因- セルフドクターネット

 

DHA、EPA、γ(ガンマ)リノレン酸を摂取する

子宮や胃腸を収縮させるプロスタグランジンE2と反対の働きをするものに、プロスタグランジンE1、E3があります。この生成を促すと言われるDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、γ(ガンマ)リノレン酸を摂取し、下痢・胃痛の予防を心掛けましょう。

 

DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)

特に青魚(背中の青い魚)の脂肪に多く含まれています。また缶詰の魚でも、加工前と変わらない栄養成分が摂取できます。骨ごと食べられてカルシウムも豊富なので、忙しい時などは大いに活用できそうですね。

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参考画像:コレステロールを下げるのに効果的な食べ物/普段の食&生活から見直そう「予防と対策のヒント」/脂質異常症特集サイト|メディマグ. 脂質異常症

 

γ(ガンマ)リノレン酸

卵黄、青魚、わかめなどに含まれていますが、わずかで、日々の食事で効率よく摂取するのはなかなか難しい現状です。普段私たちの体は、植物油などに多く含まれるリノール酸を、体内でγリノレン酸へ変換することで補っています。

では、不足しがちなγリノレン酸を確実に摂取するには、どうすればいいのでしょうか?γリノレン酸は、月見草、ボラージ草,カシス(ブラックカラント、黒すぐり)など数種類の植物だけに多く含まれています。直接摂取するなら、それらの食用オイルやサプリメントが一番の方法です。ネット通販などで購入することができます。

 

 

自律神経を整える栄養素を摂り入れる

自律神経のバランスを整えると言われる栄養素を摂取して、胃腸の正常な機能を保ち、下痢・胃痛を防ぎます。

 

ビタミンB群 【豚肉、レバー、うなぎ、サバ】

人間は強いストレスがかかるとビタミンB群を大量に消費するので、それを補うような食事を考えましょう。

ビタミンA 【レバー、春菊、モロヘイヤ、人参】

ストレスがかかった時に放出され、全身の抵抗力を高めるホルモン(副腎皮質ホルモン)の分泌を促します。

ビタミンE 【胚芽米、アーモンド、にんじん、かぼちゃ】

ストレスは体内の活性酸素を増やし、身体を酸化させます。ビタミンEは酸化を防いで、老化を抑制します。

ビタミンC 【緑黄色野菜、キウイフルーツ、イチゴ、柿】

免疫力を向上する副腎皮質ホルモンの分泌を助けます。

カルシウム 【牛乳、チーズ、くるみ、小魚、豆類】

脳や神経の興奮を鎮め、精神を安定させます。不眠にも有効です。

 

ストレスをためない

過労などの身体的ストレス、プレッシャーや人間関係などの精神的ストレスをためないようにすることが大切です。自律神経の安定につながり、胃腸への負担も和らぎます。好きな音楽を聴いたり、アロマセラピーを取り入れたりして、自分なりのリラックス法を探してみましょう。子供やペットの写真を見ると和むという人もいるようです。

 

鎮痛薬は早目に飲むこと

毎月生理直前に下痢・胃痛が起こる場合、プロスタグランジンの生成を抑える鎮痛薬が有効です。市販されている鎮痛薬のほとんどは、この働きを持っています。痛みが始まったら早目に内服して下さい。ただし、プロスタグランジンが原因ではない場合、逆効果になってしまう場合があるので注意が必要です。生理が終わってからも辛い症状が続く場合は、別の原因が考えられますので、専門医を受診し、適切な対処をしてもらいましょう。(消化器科、内科、婦人科)

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