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PMSの微熱・1 ~女性の体と体温~

公開日: : 最終更新日:2014/08/26 PMS(月経前症候群)の症状

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月に一度、風邪のひき始めのような症状になる、「妊娠したのかな?」と思えるような微熱やからだ全体がなんとなく重く感じる倦怠感がある。ある日を境に日中じんわりと体が熱かったり、ちょっとのことでも動揺して汗をかいてしまう……。 PMSラボをご覧のみなさんの何割かの方は、毎月生理前にこのような経験をしているのではないでしょうか? ときには熱さのせいで集中できずにボーっとしてしまい、仕事が手につかなかないこともあるかもしれません。でも、生理が始まるといつもどおりに熱がひき、もと通りに。そしてまた翌月には同じように熱っぽくなることの繰り返し。 このようなPMS期の微熱は、女性の繁殖機能と大きく関係しています。 どうして熱が上がるのか? どうして毎月同じサイクルで熱が治まるのか? 今回はその理由と、辛いダルさを克服する方法を3回に分けて続けて連載したいと思います。

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繁殖機能と切っても切れないホルモンのしわざ

女性の体温と、子どもを作るための体の機能は密接な関係にあります。どうしてPMSの時期に熱っぽく不快になるのか、それは女性としての機能を考えたときにおのずとわかり始めます。

生理周期にあわせて体温が上昇している

女性は生理周期によって体温が上がったり下がったりする時期があります。まず、生理が始まった日から卵子が排卵する日(排卵日)までを「低温期」といい、排卵を過ぎてから次の生理が始まるまでの2週間を「高温期」(このとき通常より+0.3~0.5℃前後体温が上昇)と呼びます。 この体温の変動は、妊娠可能な女性であれば必ず起こる変化です。これに伴い感じる体の微熱は病気ではなく、基礎体温そのものが上昇し、下がっていくという体の決まりごとです。そして、このような変化は、毎日の基礎体温を計ることで見えてきます。

女性ホルモンが妊娠に働きかけている

では体温が上昇するのはなぜでしょうか? それは、女性ホルモンの一種・プロゲステロン(黄体ホルモン)が妊娠のためにがんばるからです。がんばるって…具体的に何を? 赤ちゃんのための栄養を運んだり、子宮の中をあたためたりしています。具体的には、栄養と血液を子宮に送り届ける・子宮ミルクを分泌するなどで、子宮内の温度と基礎体温を保つ働きをしたり、妊娠しやすい状況をつくったりしています。また、子宮内の温度を最適な状態にするために(子宮内の温度は37度前後に保つのがよいと言われています)プロゲステロンが体温を上昇させ、体温は一定期間高くなるのです。 子宮ミルク(Uterine milk)とは、子宮内の環境を整えるために分泌されるもので、体温が上がる高温期に体内に蓄えられます。これは、妊娠しやすく、そして受精卵を育てやすくするための環境を造る栄養素です。(☆)

黄体期(周期後半の約2週間)は、子宮内膜に再生された分泌腺の働きにより、栄養素に富んだ分泌液(子宮ミルク)を蓄え、受精卵が着床・発育しやすい環境を整える時期です。 黄体ホルモンの作用により、子宮内膜への血液の供給が加速し、エネルギー代謝が高まるため、基礎体温が月経期・卵胞期より0.3~0.5℃高くなります。

周期療法とは?|漢方の不妊相談中医不妊症

※ここでいう「黄体期」とは「高温期」のことです。

基礎体温とは?

基礎体温とは、一番安静な状態で必要最低限のエネルギーだけを消費しているときの体温のことです。朝一番に目覚めて体を動かす前に基礎体温計で計測することが一般的です。毎朝この基礎体温を付けることで、細かな体調の変化やホルモンバランスの変化などを知ることができます。

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  検査内容一覧 | 不妊治療・不妊専門病院「はらメディカルクリニック」

 

黄体期とも呼ばれる高温期の理由

体温が平熱を示す時期の「低温期」から変動して僅かに体温が上がる「高温期」は、この時期に女性ホルモン・プロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌され、生理の始まりとともにその分泌が終わる期間であることから、「黄体期」とも呼ばれています。

黄体とは?

黄体ホルモンは女性の妊娠に深く関わるホルモンです。このホルモンが、体温を上げ、「高温期(黄体期)」に妊娠へ導く働きをしています。黄体の寿命は14日間±2日で、黄体ホルモンもそれに伴って分泌されるので、高温期、つまり微熱が続く時期はおよそ2週間前後ということになります。(図・参照) 黄体とは

排卵のあとで卵胞が変化したもの。黄色の顆粒状の色素を含む細胞で満たされており,黄体ホルモン (プロジェステロン) を分泌して,妊娠の成立や維持に役立つ。ヒトでは,ほぼ1ヵ月に1回黄体が形成され,妊娠が成立しなければ 14±2日間存続してから退行萎縮して,白体となる

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より

この黄体ホルモンは、体温を上げて免疫力を高め、母体のなかの赤ちゃんを守っているという見方もあります。

正しい排卵がエネルギーを起こさせる

上記のように「黄体」が出来上がり消滅するまでの一連の動きは、きちんと排卵が起こっていないと成り立ちません。「卵ができ、きちんとした排卵があるとそれが黄体となり、その結果、体温が上昇する」のが高温期の仕組みです。体温が上がらなかったり高温期が2週間続かないといった場合は、排卵がうまくおこなわれなかった可能性があります。逆に捉えると、PMSの時期にほんの少し体温が上がるのは、妊娠可能な状態を迎えた体の正しい反応というわけです。 bbt

 基礎体温上から見ると排卵日はいつ?

 

体の熱は子宮内をよい環境に導く妊娠の準備

子宮内では赤ちゃんを作り育てるために様々なことが行われていて、その土台となっているのは自分の体そのものです。栄養やエネルギーを供給したり、妊娠のためのよりよい環境づくりを継続させるために、自分の意思とは別に体の中は働いています。それに気づくことで自分の体を労ったり、自分自身そのものについて考えたり、生活や体調を見直すいい機会となるかもしれません。微熱を感じるのにも理由がある、それがわかるだけでも、PMSへの向き合い方がひとつ緩やかになるのではないでしょうか?

それでも「辛い」と思うあなたは

でも「この微熱を受け止めきれない」と悩んでいる人もいます。 より良い妊娠のために微熱を出す体、大切なサイクル――そう頭ではわかっていても、肉体的につらいと感じてはいないでしょうか? もしかしたら、体がそのエネルギーを受け止められなくなっているのかも…… 次回は、PMSの微熱に対する「感受性」について考えてみたいと思います。

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